2012年9月27日木曜日

初めての野外公演

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9月はフェニックスの公園で野外公演がありました。
全部で七回公演で舞台の鑑賞は無料です。この公演はフェニックス市やバレエアリゾナのパトロンがサポートしていて、バレエ団にとって、新しいパトロンの獲得や、バレエを見たことがない市民にもっとバレエ団の存在を知ってもらい劇場に足を運んでもらおうという目的があります。11月にあるバレエアリゾナのシーズン最初のプロダクション「ジゼル」のチケットも公演の最後に抽選で数人にプレゼントするという企画もあり、アメリカっぽいと楽しくなりました。

先週に4公演終わり、今週末に後3回残っています。 初パークショウの感想は、正直、こんなに大変とは思っていなかった・・

まず、アリゾナの気温はサウナの中にいるように暑い。身体を動かさなくても汗がダラダラ流れてせっかくのメイクもすぐに落ちてしまいました。日本の夏も熱いけど、ここまで熱いとホットヨガをしている気分。

もう一つは、舞台の照明です、夜七時公演だったので、始まるころには辺りが暗くなり、舞台上のサイドに設置されたライトが異常に明るく眩しく感じられ、どこに焦点を当てていいのかわかりませんでした。そのライトに、呼び寄せらた小さな虫が舞台上を飛び交ってます。

 そして、一番苦労したのが、舞台上にいない時です。
通常、舞台上で踊っていない時は、舞台の両サイドにある幕で隠れてしまえるので、水を飲んだり、トウシューズを履きかえたり、座ったり、次の出番の為に休むなど好きなことをできますが、それは決して舞台を鑑賞しているお客さんに観ていただけるような姿ではありません。
しかし、今回は舞台が大きな公園の真ん中に設置されているので観客は360度どの角度からでも鑑賞できます。隠れるところがないのです。。









あるはずの袖幕がない。と言うことは自分の出番が終わっても隠れられないのです。
今回私が踊った作品はセレナーデ、約20分ほどの作品で、一回出番が終わったら終わりではなく数回出番があります。自分の出番が終わって、舞台から地面につながる階段を下りるとそこにはお客さんが・・。
舞台から降りて息を切らせている姿を見せたくはないけど、次の出番までに体力を回復させなければいけないし・・。
とにかく、劇場で踊る時とは全く違う感じ。舞台裏までお客さんに見られるのは、踊る側としては、通常異常に体力を消耗します。。

お客さんは元々鑑賞予定の人達から、音楽に誘われて集まってきた人達、中には犬の散歩中にちょっと寄って観ていこうか。なんて人たちもいて、軽く1500人以上は舞台の周りに集まっていました。バレエ公演と言うよりは、Showって雰囲気だったので、お客さんの反応もすごくよくて、大変だったけど、良い経験でした。
明日から、3日間、また頑張ります。








2012年9月3日月曜日

ホームシックに勝るもの

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今回、日本を離れるとき、正直な気持ち、もうずっと日本に居たい!!って想いが強く、アメリカに来ることが怖くてビクビクしていました。

 今までの国とはおそらく全然違う。
バレエ団に必要とされなかったらどうしよう・・英語を母国語としないルーマニアやチェコでなんちゃって英語ばかりしゃべってきたので、十分にみんなとコミュニケーションが取れなかったらどうしよう・・・・
そんな不安は、自分の昔からの「いつかアメリカのバレエ団で働きたい」という大きな目標を、揺らがせるぐらい大きなものでした。


 中国、上海から始まりこのアメリカに来るまで、約13年間、たくさんの国で生活しましたが、住み慣れた環境を離れて新しい場所に一人で入っていくのはいつまで経っても慣れません。

 元々の小心者の性格も手伝って、ものすごくネガティブで頭に浮かぶ何もかもを不安に思ってしまいます。
 現地に着いたすぐは、こんなに寂しいのは嫌だとか、こんなに自分は頼りない人間なのかと心元なくなるようなやりきれない気持ちになります。
歳を重ねても、この気持ちは10代のころと変わりませんね ・・・


でもそこを経験することで、自分がどれだけのものをその気持ちと引き換えに得られたのかが後にわかります。

 全くのよそ者になって、自分の人格と、バレエと、その二つのみでこれからのこの地での自分をつくっていくのは、とても怖いことだけど、多分10年後はできないことです。

どんなにおいしいものや、きれいな洋服は味も得たときの嬉しさも忘れてしまうかもしれないけど、今経験していることは、喜怒哀楽すべて含めて自分の身になる価値があることだと思います。

 10代、20代、30代、それぞれの年代で挑戦できるものも年齢に応じて、変わってきます。
大切なことは、その時その時に自分にやってきた機会を、「できないかもしれない」とか「怖いから」と言う理由で見送ってしまわないことだと思います。

 無事に、アメリカに来られたこと。そして、今の自分の環境を遠くで見守ってくれてる家族や友人、応援してくださっている方々に感謝します。




今週のバレエ団はすごくハードなweekでした。

9月にある公演に向けて、リハーサルがたくさんあり、バランシン作品が2つと芸術監督のIbの作品を上演予定なので今年新しく入ったメンバーは振り付けを覚えるのに時間を費やしました。

振り付け覚えと言うのは、いつもながらとても時間も労力も要する大変な作業です。 でも舞台に出るためには必ず必要なこと。
バレエ団によっても、少しずつ作品に対する解釈も違っているので動きも変わってきます。

大変だけど、それを学べるのは楽しいことです。

このバレエ団のリハーサルでとても良いと思うことは、ダンサーがすごく積極的だということです。

 リハーサルを担当しているミストレスや芸術監督のIb Andersenに対してでも、「さっきのこの動きはどうでしたか?」とか「この動きがしっくりこないんですが何かアイディアはありますか?」とどんどん質問する人が多いです。
雇われているダンサーだからと言って、受動的にならず自分も作品を作り上げる側に立つという感じ。

 自分から働きかけることによって、相手の反応もその後も大きく変わってきます。

これは、アメリカ人の性格からきている見習うべき良い側面だなと思いました。



アメリカに来て3週間、バレエを中心に、いろんなところに行き、いろんな人に会い、新しいことをたくさんすることが出来ました。

 「限られた時間の中で設定した目標を見失うことなく、どんな時も淡々とやっていくことが大切だよ」とルーマニアで出会った私がもっとも尊敬するダンサーCorinaが言ってくれました。

来年7月のシーズン終わりまで、「偽りなく頑張った」と最後に言えるように頑張りたいと思います・・・。









少し中心地から外れるとあらゆるところにロッククライミングスポット



こっちの生活で必須アイテム 車



中古車だけど、それなりのものはやっぱりそれなりの値段。。買うのはもう少し我慢です。




同僚の誕生日会