2011年10月31日月曜日

慣れ

日曜日は白雪姫に出ました。
場当たりも開演前の数分のみだったので、ステージに出ると頭が真っ白になるかと思いましたが、意外とそれは大丈夫でした。
普段から本番前の準備というのは念入りにやればやるほどいいと信じていたので、今回は急遽の代役の為、準備期間が短くすごく緊張していました。

でも、この作品はたくさんの子供たちがウサギやリスやキノコの着ぐるみを着て登場します。子供たちはものすごく楽しそうでこれ以上楽しいことはないってほどの笑顔で舞台で踊っているので、もうそれだけで可愛くて観客も喜んでいました。バレエ・・と言うよりShowという感じでここで緊張してるのは私ぐらい・・と思うと、余計な緊張はなくなり振り付けを忘れるという最悪の事態を免れました。


                                  snow white scenery

                                                            from the wing, during performance



舞台終了後、同じ楽屋のダンサーに「もうこんな経験はしたくないな」と言うと「ここではこんなことしょっちゅうよ。今までやらなかったことがラッキーだよ」と反されました。

言われてみれば、この劇場の経験豊富なソリスト達はみんなすごい度胸です。

先シーズンに「ラ・バヤデール」という作品で主役のダンサーが本番2日前に病気になった時も、代役のダンサーは2日で全幕をリハーサルし、踊り慣れていない相手役と一度も失敗することなく舞台をつとめました。
きっと私ならプレッシャーに押しつぶされていたことと思います。

彼女は私と同じ年ですが、何でこんなに舞台前の精神力に違いがあるのか。私が思うには全部、「慣れ」なんだと思います。
若い頃にどれだけ大変でも、いろんな経験を積んでそれを克服する方法を身に着けるか。これが大切なんだと思います。
苦手なことや嫌と思うことをやらないでいると、いつまでも状況を自分の力で変えることができないし良い結果にもっていけないんじゃないかなと思います。

若いころの経験って本当に大事だと思います。








2011年10月28日金曜日

今週2

一昨日、先生にバレエ団の持ち作品の白雪姫のDVDを渡されて、これを明日までに全部覚えてくるように。と言われました。

怪我で出演できなくなったダンサーの代役で、本番は今週の日曜、リハーサルはたったの3回です。

役は白雪姫の友人ですが、白雪姫のストーリーのなかに小人は7人出てきても、友人って出てこなかったし、、そんなに大変な役ではなさそう。と思ってDVDを見てみると、それはそれはハードな振り付けでした。
この劇場の白雪姫はどちらかというと子供たちの為のバレエで客層は8,9割が子供達と親。
子供達の為のバレエに、こんなテクニックが必要なのか・・と言うほどの難しいものでした・・。
音の取り方も難しいし、何よりも3回のリハーサルではかなり不安が残ります。。。
明日も通し稽古です。











今日はジゼルの本番でした。このシーズン12月までは最初で最後のジゼル、私は出演しませんでしたが、みんな、特に2幕のアンサンブルが素晴らしかったです。今年からジゼルのアンサンブルを指導する先生が現役のプリンシパルに代わり、彼女の指導はすごく厳しく妥協がありません。リハーサルではみんな何度も何度もやり直しさせられていて体力的に辛そうでしたがが、先シーズン見た時よりも見違えるほどきれいになっていて、指導する人が変わるだけでこんなに変わるのかと驚きました。最後は観客も総立ちで拍手していました。

2011年10月23日日曜日

今週


今月は暇だと思ったら舞台はセレナーデにしか出ていませんでした。





昨日シーズン初めにオーダーしていたトウシューズがやっと届きました。
今まで、トウシューズでクラスをするのはバレエシューズの時よりもやる気とエネルギーがいるなと思ってたけど、ゲイナーに変えてからは、これがないとクラスを受けられないほどです。
他のトウシューズとは違い形状記憶の素材を使っているので、つま先も伸ばしやすいし、ジャンプもかなり楽です。
でも、これから筋力をつけていかないといけない若いダンサーは、ゲイナーオンリーにしてしまうと、足が甘やかされてしまうかも・・と思います。











そして今日は友達が出ている舞台を見に行きました。彼はバレエ団のアンサンブルですが、月2,3度あるキッズショー(子供のための舞台にも)ダンサーとして契約しています。結構な頻度で舞台もあるし、バレエ団のリハーサルと並行してのリハーサルは大変だと言ってますが、普段ソロを踊る機会がない彼にとって、村人その1ではなく自分に役名があるソリストを出来ることは勉強になると言っています。
今日は、劇場の中の特設ステージで「真夏の夜の夢」でした。

2011年10月17日月曜日

ジュリエット

今年12月までの劇場のバレエ演目は、海賊、眠りの森の美女、バランシンのセレナーデ、ジゼル、白雪姫、ドンキホーテ、アンナ・カレーニナの7作品。
コンテンポラリーはイリ・キリアンのfalling enjel、Edward ClugのTango とradio and julietの3作品です。

私はモダンが苦手でどの作品にも出させてもらってないのですが、この3作品全て苦手にもかかわらず是非やってみたいと思うほど魅力的な作品です。

一番好きな作品はradio and julietです。とにかくカッコいい。
ジュリエットを踊っているバレエ団のソリストの女の子は去年の初演までモダンは好きじゃなかったといいます。振り付けの段階でも今までやってきたクラシックの基本を崩していくような感覚があり、自分は向いてない。と落ち込んだそう。でも、振付家のEdwardさんから直接指導を受け、取り組むうちにクラシックとはまた違った舞台の楽しみ方があることを発見したと言っていました。そしてそれはジゼルを踊るときでも、眠りを踊るときでも役立っているそうです。


リハーサル











onbじゃありませんがradioのデュエット

2011年10月8日土曜日

タタミ

バレエ学校を卒業後、たくさんオーディションを受けて、もう無理かも・・とあきらめかけたときにやっと受かった海外のバレエ団はカナダでした。

当時は今までずっとやってきたことを仕事にできるなんて本当に信じられなくて嬉しかったことを覚えています。同僚や先輩にも恵まれてすごく楽しい毎日でした。









europe tour






in canada








stage







でも、バレエ団や日常に慣れればなれるほど、その環境が当たり前になって、ないものねだりをし始めました。
だんだん物足りなさや不満が出てきて、最後にはそこでの毎日は辛いものになりました。




ツアーカンパニーだったので、長旅のストレス。踊る役柄や振り付けへの不満。監督への不満。。など・・


その時の私の最終決断は、バレエ団を去る。ことでしたが、、結局は移籍先のバレエ団で同じ問題にぶつかりました。

あのころに文句ばかり言わず、与えられた環境の中から自分がやれることを見つけようとしていたら、たとえ移籍先でも同じ問題にぶつかって二度足を踏むことはなく、その環境の中でバレエに専念することが出来たと思います。




今朝すごく懐かしい夢を見ました。畳のバレエ教室の夢です。

私が15歳まで通っていたバレエ教室は地元の集会所の和室。フロアは床やリノリウム(バレエ専用のフロア)じゃなくて畳でした。




バーもなく、窓枠を代わりにし、鏡もなかったので、夜、窓のガラスに映るシルエットが代わりでした。
トウシューズで立つと滑るし、沈むし、畳のつなぎ目に引っかかるしで、今から考えるとよくやってたよな、自分・・・・と思います。
でもその頃は、ただ夢中になって目標の発表会とかコンクールの練習をしてた記憶があります。


数年前の自分と比較すると、どんな環境でも頑張れる強さというのは子供のころの方があったように思います。

まぁ、子供のころとは話が違うかもしれないけど、文句を言い出したらきりがないのは同じですよね・・。

まずは、自分の周りにあるものに感謝して有意義に使う方法を考えないと前には進めないなぁと感じました。