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先週の木曜日、自分でも信じられないような体験をしました。
おそらくルーマニア出身で最も有名なバレリーナはアリーナ・コジョカルさんです。彼女は現在ロイヤルバレエのプリンシパルで日本にも何度となくゲストで来日されています。
私がロイヤルに留学していた時、彼女の舞台を何度となく観て本当に憧れ、こんな風に舞台上ですごく自然体でいて人を感動させられるダンサーって見たことない。と感動しました。
そのアリーナコジョカルさんと並ぶほどの素晴らしいダンサーがこのバレエ団にいる。と私が聞いたのは1年以上も前の話です。いつか彼女の舞台を観てみたい。と思っていたのですが、先シーズン、彼女は一度も舞台に立たず、今シーズンになってからも12月まで1度も機会はありませんでした。
もちろんバレエは誰かと誰かを比べてどっちが上だとか、、そういうものではありません。
でも、コジョカルぐらい、、人によってはコジョカルよりも素晴らしいってバレエ団のみんなが口を揃えて言いたくなる訳が先週の舞台で、実際彼女を目の当たりにしてわかったのです。
彼女はこのバレエ団のプリンシパル。一児の母で年齢は40歳前後なので今は第一線で踊っていません。
やっと彼女の舞台を観れる時が来た。と楽しみにしていました。
でも正直に言って、1年以上舞台に立っていないとなると、いくらみんなが素晴らしいって称えるダンサーでも・・・・・・という想いがありました。
自分が毎日トレーニングやリハーサルを積み、数多くの舞台に立っているにも関わらず「良くできた」と言う日がないからこそ、そのブランクが気になりました。それだけ舞台に立って観客の目を捉えることって難しいと感じるからです。
でも、本当に本当にものすごいものを観ました。客席にいてこんな体験をしたのは初めてです。
彼女が一歩舞台に現れた瞬間から瞬きも忘れるぐらい、他のダンサーは見えなくなるぐらい、圧倒されました。「きれい」とか「すごい」とか「上手い」とかそんな言葉が失礼なほど。
彼女の存在感は観ている人を巻き込みます。
上手く表現できない自分の文才の無さがもどかしいですが、私は舞台を観るとどうしても、「今のステップ難しいのに上体も軽やかですごい」とか「このステップからのこの回転は難しい」とか観ながら頭で考えてしまいます。
でも今回、彼女が舞台に現れて最後姿が見えなくなるまでそんなことは一切浮かびもしませんでした。
こんなことは初めてでした。
彼女をただ席に座って観ているんじゃなくて、巻き込まれてる感じがしたので、冷静にそんなこと考えてる場合じゃなかったんだと思います。。
なんでこんな風に人を圧倒させることができるんだろう。と私なりに考えてみたんですが、
それは彼女の心というか「気」が踊りを通して異常なほど伝わってきたから。
その役柄に対する解釈や、想いが怖いほど伝わってきたからだと思います。
私たちが普段しているハードなトレーニングは、あくまでも彼女のように表現する手段を磨くため。
私にはその普段のトレーニングを舞台上で表現力として応用する力が欠けているから「イマイチ・・」と思う舞台ばかりなんだとと改めて感じました。
私のバレエに対する概念を思いっ切り覆すというか、、違う次元に引き上げてくれる体験でした。
周囲にそんな人がいることって長い人生でも、ものすごく稀なことだと思います。
次彼女に会ったら率直に、「どうしたらそんな風に踊れるの?」って質問してみようと思います。
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