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11月1日から4までバレエアリゾナの最初のプロダクション「ジゼル」がフィニックスのシンフォニーホールで上演されました。
オーケストラはフェニックスシンフォニー。 4日間で全6公演。
3組の主演キャストで2公演ずつ踊りました。
オープニングナイトの1日前から劇場に入り、舞台リハーサルとオーケストラとのリハーサル。
3キャストなので通しリハーサルをそれぞれ一回ずつ行いました。
主演や準主役以外のキャストはみんな同じなので、劇場に入ってからの5日間は3回本番通りのリハーサルと、本番の6回を合わせ5日間で9回も全幕やることになったので、バレエ団メンバーにとってとても大変だったと思います。
私の初日は3日土曜日の夜、そして2回目は次の日、日曜の夕方でした。今まで、2日連続で舞台出演したことはしょっちゅうだったけど、主演を2日連続で踊ったのは初めてでした。
他のメンバーは31日から2日までの間に、すでに6回も全幕通して踊っていて、もう舞台に出る緊張感などは全く感じられません。
そんな中、初めてバレエアリゾナ正式なのメンバーとしてお客さんの前に出ていくのは緊張しました。(9月にパークショウはやったけど、バレエアリゾナとしての正式な公演は今シーズンジゼルが最初です)
体力的にも精神的にもきついかなと少し先週はナーバスになっていたけど、始まってみるとあっという間。終わってみると、もっとやりたい!と思えました。
以下の写真は初日キャストのドレスリハーサル
今回、ジゼルを踊らせてもらったことでまたたくさんのことを学びました。
また後日詳しく書きたいと思いますが、端的には、精神力と役柄の理解力の大切さの2つです。
いくら練習して、技術を磨いても、本番でネガティブになり実力を発揮できないようでは意味がありません。もちろん生身の人間が踊るので調子の悪い日などはあるけれど、それでも、「自分がこの舞台を素晴らしいものにするんだ」「自分が、お客さんを楽しませるんだ」っている前向きな強いエネルギーが絶対に必要だと思いました。ほんの少し緊張しているだけでも、目の力が無くなったり、ステップが小さくなったり、客席からはわかるものです。。
31日に劇場入りして、舞台で踊ってみると技術的に改めて不安な個所も出てきました。
こんな時に陥りやすいのが、その不安や個所の練習ばかりに時間や思考を奪われて、その他の表現力などがおろそかになってしまうことです。自分の中では普段リハーサルではできてることが出来なくなってしまうと不安になり、そのことばかりを考えて「ここさえうまくいけば・・」と考えてしまいがちだけど、ジゼルのストーリー全体を通して見ると、その不安な一か所や二か所は舞台を楽しみに観に来ているお客さんにとって、そんなに心配するほどのものでもなかったりするものです。
例えば、ピルエット(回転)が決まらない、普段回れてるのに、舞台では軸が取れない。というようなことに気を奪われて、その前後の動きが硬くなったりすると、たとえピルエットが成功したとしても、ジゼルという役柄はなくなってしまい、この作品自体を悪くしてしまうどころか、お客さんがストーリーを理解できなくなり楽しむことができなくなります。
数日間や数時間で自分の技術を変えることはできない。それならば、テクニックの心配よりもこの舞台を通してジゼルという役柄を生きることに徹するべきだと気づきました。
「今さら。。?」と思われるかもしれないし、見に来てくださったお客さんからしたら「イマイチわかりにくかった」と思われる方もいるかもしれませんが、これを今気づけたことはよかったと思っています。役柄、表現力はバレエにおいてとても大切だとはわかっていても、いざ舞台に立ち本番を前にすると、技術の心配をしてしまうものです。。。
でも、いくら精神力が強くて、「私が絶対にお客さんを感動させる!!」と意気込んでいても、ジゼルに対する役柄の解釈や、外してはいけない見せ場を心得ていないと、空回りしてしまいます。
ジゼルが「バレエ」である限り、バレエの技術で音楽を表現したり、役柄の気持ちを表現することは必須です。主役の本当の見せ場というのはどこか?そしてそれをどうしたら効果的にみせられるのか?を研究していく必要があると感じました。
本当に本当にバレエは難しい。でもこれを通してわからなかったことがわかるようになったり、人の気持ちを考えてみたり、自分に自信をもったり、がっかりしたりしながら、毎日過ごせることが有難いです。こんな機会をくれた芸術監督とカンパニーに感謝です。
● FOXTVのニュースにプロダクションの宣伝で出演したビデオクリップです。
● アリゾナの新聞のインタビュー記事です。
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