2013年4月3日水曜日

仕事探しって難しい・・


バレエアリゾナでは今シーズン所属ダンサーの来シーズンの契約に関するディレクターとのミーティングも全員分終わり、オープンオーディション(現在所属しているダンサー以外から来シーズン契約希望のダンサーを募りオーディションすること)も終わりました。

私は、契約更新できないかも・・・と覚悟もしていたけど、あっさりと次のシーズンの契約をもらうことが出来ました。この契約更新をめぐってこの1か月バレエ団内ではたくさんのドラマが繰り広げられました。本来なら、誰よりも努力している人、勤務態度も真面目な人、 その職に誇りを持っている人、などは組織をよくするためには一番残ってほしい人物のはず。
しかし、バレエの世界は違います。本人がどれだけ努力しても、どれだけバレエが好きでも、舞台で大きなミスをしたことがなくっても、ディレクターの一声で、一瞬で無職になってしまいます。

次の契約をもらえなかった人は6月にシーズンが終わるまでの約2か月間、次の仕事を探すためにオーディションの情報を集めたり、可能性のありそうなバレエ団にコンタクトを取ったりします。

この間、次のシーズンの契約をもらえた周りの仲間ダンサーに囲まれながら、もし仕事が見つからなかったら・・というプレッシャーや焦る気持ちという精神面の痛手と、オーディションのための渡航費やホテル代などの莫大な費用の痛手とでボロボロになる人もたくさんいるんじゃないかな・・・

私はアメリカに来て、8か月、ここだけじゃなく他のバレエ団も見てみたいし経験してみたい。そしてもっとチャンスがもらえる場所に行きたい。という想いから2月から4月にかけて、目ぼしいバレエ団に履歴書や手紙を送り、オーディションをしているところには足を運びました。

どうせならこのバレエ団よりも大きいバレエ団に・・ということで有名どころばかり挑戦しました。
結果はまだ出ていないところもあるけど、ボストンバレエ団以外のカンパニーでは最終面接まで進みディレクターと直接話がすることがきました。
最終まで残れたという結果は、1月からバレエアリゾナで落ち込んでいる私にはすごく自信につながるものだったけど、契約をもらわないと全く意味がない・・・んです。

今回オーディションを受けまくってみて、つくづく感じたことは、「バレエ界ののオーディション」というシステム・・・もっとマシにならないのでしょうか・・・??? です。

会場で出会ったある女の子は、この日のためにお金を貯めて航空券を買い、去年のオーディションで仕事が見つからなかったので、教えのアルバイトをしながらバレエスクールのオープンクラスを受けながら1年間この日のために準備してきた。と話していました。
(じっさいそのバレエ団付属のバレエ学校に所属する学生以外はこのタイプがほとんどだと思う)
その子は、バーが終わると、自分の番号を呼ばれてしまい、それ以上オーディションを受けることが出来ませんでした。
スタートからカットされるまでの間、30分。どこにも怒りをぶつけれないけどけど、開始早々番号を呼ばれて「はい、さようなら。」 どれだけ悔しいことでしょう。

ある子は、カナダから片道6時間かけてお母さんとドライブしてきたの。と話していました。

そのバレエ団のディレクターは、オーディションの最後に「みなさん、来てくれてありがとうございました。しかし、私たちのカンパニーは次のシーズンの契約がありません。空きが出たら最後まで残った人たちには連絡するかもしれません」と締めのあいさつ。

ある会場では、このオーディションのためにわざわざヨーロッパからやってきたという女の子に会いました。渡航費や滞在費など考えれば軽く何千ドル。
でもそのオーディションでは、ディレクターとの面接で「2週間前に空いてた2つの契約が決まって無くなっちゃったんだよ、だからもうないんだ。でもあなたは良かったからこのまま帰したくなかったから、せめて話をしようと思ったんだ」と言われる始末。喜んでいいんだか、怒っていいんだかわからない。でもこれは後者でしょう。

来シーズンの契約が埋まってしまってもうないことが明らかなら、せめてウェブサイトのオーディションページに「来シーズンの契約はありませんが、よっぽどいい人がいた場合は考慮したいと思います」とか書いてくれれば、そこまで可能性が低いなら今回は諦めて違うバレエ団のオーディションに費用を回そう。と、何百ドルも使って、ものすごく期待をしていくひとも少ないと思います。

例えば、「私たちが探しているのは、来シーズンのドンキホーテの初演に起用できる、スレンダーで165センチ以上のプロ3年以上経験ありのダンサーです、オープンスポットは2つです」など、何かしらの情報を載せていてくれればいいのに。。。

職を求めて一生懸命なダンサーはアメリカにも日本にもあふれています。その人たちのが背負う気迫というか、夢を実現させたくて、この一回のチャンスにかけている!!って必死な想いと、バレエ団側との温度差があまりにもありすぎると思いました。

バレエもビジネス、バレエ団に対して有益な一握りのダンサーしか雇われないのは大前提。
でも、そこに到達したいと今まで努力してきた大多数の人たちが「私がいままでやってきたことはなんだったんだろう・・」「私はどうせ、かすりもしない実力か・・」 とか思ってしまわないような対処方法ってないのかな・・・・・・



2013年2月28日木曜日

年に一度のコンフェランス



Diaryを書くのをさぼっている間に年末年始の一時帰国もあっという間に終わり、年も超し、もう3月に入ろうとしています・・・。

久しぶりの日本での時間は、会いたい人みんなに会うことはできなかったけど、新しい国アメリカで、新しいバレエ団で右も左もわからないまま走ってきた私にとって、本当に癒された良い時間でした。
私には帰る場所があるから、動ける時は限られているし、できなくなるまでは後悔ないように必死に頑張ろう!!ってものすごく前向きなパワーとリフレッシュした気持ちでいっぱいでここフェニックスに戻ってきたのは1月6日のことでした。

2013年仕事始め初日から、私の前向きでやる気いっぱいな気持ちをポッキリと降り「私、バレエ辞めようかな・・」とまでも思わせられる出来事が起こり続けるなんて、夢にも思わず・・



こっちに戻ってきて初めのリハーサルは、ディレクターとのロミオとジュリエットのリハーサルでした。
私は去年からジュリエット役に配役されていて、2月のロミオとジュリエットの公演までにはリハーサル期間が足りないからと、12月のくるみ割り人形のリハーサルと同時進行で練習していました。
12月の段階で代替の振付は頭に入り、2週間の年末の休みの後、1月からは本格的にロミオとジュリエット一色でリハーサルを開始していくという予定でした。
その1月の初日のリハーサルでのこと、1時間半のリハーサルで、最後にディレクターが私に言った言葉は「あなたはジュリエットからほど遠い。そんなんで私があなたにジュリエットを任せたいと思えると思うか?答えはNOだ。」です。そして、リハーサルの途中でスタジオから出ていきました。
そして、その日の終わりにオフィスに呼ばれ、「もうこの役はあなたには任せられない。他の人にやってもらう。あなたは自分がどれだけ大きなチャンスをもらったのかもわかっていない。とても残念だ」と言われ役を下されてしまいました。

そこまで怒られた原因はわかっています。12月の21回連続公演でヘトヘトになり、2週間オフを待ち望んでいた私は、休暇に入り、一切ジュリエット役のことを考えず、イメージトレーニングさえしませんでした。
久々の日本、いろんな人との再会を、バレエのことを忘れて楽しんでいました。
「アメリカに来てから半年間、頑張ってきた。日本で2週間休んで、また1月から徐々にエンジンかけていこう」と思っていました。
そんなお休みモードの私を、ディレクターに見抜かれたんだと思います。
ダンサーは休んだらいけないの?と思われるかもしれません。。でも全くそうじゃなくて、オンとオフの切り替えがとても大切です。私はそれが上手くできていませんでした。

「君はどれだけ大きなチャンスをもらったのか、全くわかっていない」
この言葉は忘れることができません。私に少しでも、この役をもらったことに対しての責任感と自分はまだまだ実力がない。という謙虚さがあれば、この休みの期間の間に「自分はどんなジュリエット役を造りたいのか?今の自分はどこまでこの役を理解しているだろう?と自分に問いかけていていただろうし、このままではやばい・・と気づけてていたと思います。
主役をもらうということはそれだけ重みのあることだし、やりがいのあることだったのに、私は
ちょっとした気の緩みと自分に対するおごりで、一瞬にしてチャンスを逃してしまいました。


結局私は、群舞をやるように言われ、次の日から別のスタジオでバレエ団のミストレスが担当する群舞のリハーサルに参加するようになりました。

ディレクターとリハーサルできるのは主役の特権でそれがどれだけ自分を伸ばしてくれるものなのか、その有難さに改めて気づかされました。
いくら悔やんでも、いくら望んでも一度下された決断はそう簡単には変わりません。

私がやるはずだったはずの役を、今日はもう別の子が隣のスタジオでディレクターに認めてもらおうと必死に頑張っている。私はスタジオの外から、それをただ見ていることしかできませんでした。
公演当日、、その子は初めての主役にも関わらず、舞台を成功させ与えられたチャンスをものにしました。
ロミオとジュリエットの公演期間が終わった後、3月末にある公演のキャストでも私は群舞のままでした。一度失った信頼はそう簡単には戻りません。バレエ団研修生の女の子たちの後ろで、同じ役を覚えるのは、「自分はこんなことをするためにここにいるんじゃない。過去にいろんなところで踊ってきた、ソロだって主役だってしてきたのに、なんで今更??」とみじめで仕方ありません。
バレエアリゾナにはランク制度がないので、昨日主役をしていたダンサーが次の公演では村人A役というのが起こり得るのです。




こんなことが起こり、こんな気持ちになるのは、正月の初詣のお御籤で小吉が出たにもかかわらず、記念にとっておくと言って、木の枝にお御籤を巻きつけてこなかったからなのか?といろいろ普段は信じてないようなことを考えたり・・。

でも、そうじゃなくて、ただ私が甘かっただけ。ただ自分が自分のことをよく見てなかっただけ。この結果は自分が招いた結果。誰かのせいにしたいところだけれど誰のせいでもない。


うまくいってるときというのは自分が上手くいってることにさえも気づかない。自分は周りからみてどんなふうに見えているのか?このままでいいのか?と問いかけすらしなくなる。

私の場合は、ディレクターがどんなジュリエットを求めているのか?大した実力もない私が入団一年目で立て続けに主役をもらって周囲はどんなふうに見ているのか?など、自分の都合のいいようにしか考えていませんでした。

自分は恵まれている、こんなに大きなチャンスをもらっている。と、浮かれずにその瞬間瞬間を大切に出来れば、まずジュリエットという役の重みに気づけただろうし、もっと慎重になれたと思います。本当に、本当に大失敗。。。

私自身、中身もバレエの実績や実力も、何も昨日今日で変わっていないのに、人の一言でこんなに自信がなくなり最低な気持ちになるなんて、不思議です。
不思議・・呑気にと言ってる場合では全くないのだけれど、こんなことになるまでどうすることもできなかった自分が恥ずかしい・・・

そして、今週は年に一度、バレエ団で雇用されているダンサーが来シーズンの契約をどうするか、ディレクターと1対1で話し合うというコンフェランスがスケジュールされている週です。
バレエ団での立ち位置が天から地に落ちた私にとって、最悪の場合「クビ」を覚悟しないといけないでしょう・・。
本当に、本当にバレエで生きていくことの厳しさをあらためて、身を以て教えられた数か月でした。
早くこの悪い運気を断ち切れるようにするためには、気持ちを明るく持ってできることを一生懸命するしかない。。。。「私なんてどうせ・・」と暗くなっていても、だれも助けてはくれないし、周りのみんなも迷惑します。

この失敗を取り返せるように頑張っていきます・・・!!!

2012年12月14日金曜日

くるみシーズン

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12月。くるみ割り人形のシーズンが始まりました。。。といっても私自身はくるみ割りの連続公演を経験するのは初めて。

アメリカのバレエ団はどこも12月のくるみ割り人形の公演にものすごく力を入れていて、多いバレエ団では40公演するところもあるそう。

バレエアリゾナでは21公演(前回UPした時から2公演増えました。)それでも同じ曲ばかり毎日聞くのは結構大変・・・。

12月に入ってからは、朝10時ごろに劇場に入って、舞台上でクラスをした後、午後の公演→2時間ほど休憩→夜の公演→22時撤収。というスケジュールが週3ペースで入ってます。
それ以外にも夜だけ公演や舞台上のリハーサルとかもあるので、ほぼ毎日劇場。

舞台袖はどうしても埃っぽいし寒いので、その結果、くるみシーズン2週間目でダンサーの半分近くが風邪をひいてしまいました。
バレエアリゾナのダンサーは研修生もいれて40数名ほど、くるみ割り人形は一幕の雪の国のシーンや2幕のお菓子の国でたくさんのダンサーを必要とするので、みんなフル稼働です。

キャストはA A1 B B1 C C1 D D1 と8パターンあり、日によって自分の役が変わります。例えば「14日の夜キャストはD1キャストだから私は雪と中国の踊り」とか、明日の午後はAキャストだから金平糖の精」とかこんな感じ。

でもこれは、要注意です。過去にあった失敗例を聞くと、くるみ割りシーズンも佳境に入ってくると、みんな疲れがたまってきて自分の配役を間違えてしまう人が出てくるそう。

去年の例では、スパニッシュチョコレートを踊るはずの男の子が、間違えて中国の踊りの衣装で舞台袖で待機していて、2幕が始まった時に自分が間違えてるっことに気が付いたそう。

中国の踊りの衣装は独特で、カツラはつけるし帽子はかぶるし、髭はつけるしで、大慌てで楽屋で衣装チェンジして間に合ったそうです。
こんなシステムに慣れていない私は、何かしでかしてしまいそうで、毎日何度もキャスト表をチェック。




               大好きな兵隊たちとネズミのバトルシーン















雪のシーンは後半になるとものすごい量の紙の雪が落ちてきます。客席から見るとすごくきれいだけど、これだけ降られると前が見えない。



動画は今朝のニュース、毎日のようにTVや雑誌の取材が入ります。
バレエ団としてもそれだけ力を入れている作品です。






2012年11月26日月曜日

11月のフェニックス

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今週は木曜から日曜まで4連休。バレエ団のダンサーはもちろん、カンパニーのオフィスで働く広報や人事部の人たちもお休みです。

11月の第四木曜日はThanks Giving dayといい、アメリカ(カナダでも)ではクリスマスの次に大きな祝日だそうです。家族や親族が集まり、お互いの健康や食べ物に感謝をしながらThanks Givingにちなんだ料理である七面鳥やパンプキン料理を囲み食事会をするって日だそう。

そんなビッグイベントだと知らなかった私は、朝寝坊でもして12月のくるみ割りに使うトウシューズでも縫うか・・と思っていたら、「Thanks Givingに一人で過ごすなんてありえない!!」と言われ、友人宅に招待されました。
親戚みんなが集まり、フットボールを見ながら、ワインや前菜をたべ、コース料理ができたらテーブルに移動して、自分のネームプレートがある椅子に座ります。
そして、これでも かって種類の食べ物をみんなで分けて食べます。本当にどれも手が込んでいて、美味しくて、年に一度、親戚みんなが集まり、息子や娘が大きくなったね。と話す。。まさに日本のお正月のようでした。




今日は連休最後の日曜日。11月末とは思えないほど、雲一つない良い天気で、日中は半そででOKなほど暖かい。
朝から10月、11月に履いたトウシューズを洗濯しましたが、2時間で乾いてました。



 
 

 
トウシューズを洗濯・・??って引っかかった方もいらっしゃるかもしれません。

私は数年前からGaynor Mindenというトウシューズを愛用していて、ルーマニアのバレエ団時代に先輩から「ゲイナーのトウシューズは履きつぶれて柔らかくなっても、洗うとまた硬さがもどり復活する」と教わって以来、クラスやリハーサル用は洗濯機で洗い、本番の舞台用は手洗いするようにしてます。。。ゲイナーは他のトウシューズと違った素材で作られているため可能なのだと思います。

でも、これはゲイナーのシューズ会社が公認していることではありません。以前お店の人に「ゲイナーって洗ってもいいんですよね?」と聞くと「そんなことはしちゃダメ」と言われました。。。でも長持ちするし、洗ってからはくほうが足にもフィットするので、私はやっている。ってだけです。

もちろん、その他のブランド(フリードやブロックなど)は木製のため丸洗い厳禁です。。



明日からは、12月7日から始まるくるみ割り人形の公演に向けてのリハーサルが始まります。

先週も今週もずっとくるみの振り付けでしたが、19公演もあるため、踊る役が一人一役ではないのです。

例えば、私の場合だと、この演目で踊る役が、雪の精、中国の踊り、足笛の踊り、金平糖の精。と4つあります。お客さんの中には毎年来てくださる方やこのシーズン中に何度か見に来てくださるといった方たちも多いと思うので、みんなに飽きがこないようにいろんな配役を与えられるのでしょうか・・。

この公演は子供たちもたくさん出演します。1幕のパーティーシーンでの子供たち、2幕のお菓子の国の天使たちなどたくさん子供にも役が与えられ、9月にオーディションで選ばれた子供たちが出演します。



 
 

 



バレエアリゾナのくるみ割りで私が一番好きなシーンはネズミと兵隊の戦いのシーンです。

日本のくるみ割り人形ではネズミ役を子供たちがするスクールやバレエ団も多いかと思いますが、ここは、背の高い男性ダンサーがやります。

ネズミ役??!もったいない。。とつい思ってしまうようなテクニックのあるダンサーが大きな着ぐるみを来てネズミになりきってステージを這い回ったりジャンプしたりするのでとても見ごたえがあります。

ネズミの王様はさらに背の高いダンサーが2.5メートルぐらいあるネズミになり出てきます。ネズミっていうより恐竜。。。でもなんか笑える面白い振り付けです。



 
 

 
 
コスチュームを着ての監督とのネズミのリハーサル。
 

2012年11月8日木曜日

ジゼル

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11月1日から4までバレエアリゾナの最初のプロダクション「ジゼル」がフィニックスのシンフォニーホールで上演されました。

オーケストラはフェニックスシンフォニー。 4日間で全6公演。
3組の主演キャストで2公演ずつ踊りました。

オープニングナイトの1日前から劇場に入り、舞台リハーサルとオーケストラとのリハーサル。
3キャストなので通しリハーサルをそれぞれ一回ずつ行いました。

主演や準主役以外のキャストはみんな同じなので、劇場に入ってからの5日間は3回本番通りのリハーサルと、本番の6回を合わせ5日間で9回も全幕やることになったので、バレエ団メンバーにとってとても大変だったと思います。

私の初日は3日土曜日の夜、そして2回目は次の日、日曜の夕方でした。今まで、2日連続で舞台出演したことはしょっちゅうだったけど、主演を2日連続で踊ったのは初めてでした。
他のメンバーは31日から2日までの間に、すでに6回も全幕通して踊っていて、もう舞台に出る緊張感などは全く感じられません。
そんな中、初めてバレエアリゾナ正式なのメンバーとしてお客さんの前に出ていくのは緊張しました。(9月にパークショウはやったけど、バレエアリゾナとしての正式な公演は今シーズンジゼルが最初です)

体力的にも精神的にもきついかなと少し先週はナーバスになっていたけど、始まってみるとあっという間。終わってみると、もっとやりたい!と思えました。


















以下の写真は初日キャストのドレスリハーサル













今回、ジゼルを踊らせてもらったことでまたたくさんのことを学びました。
また後日詳しく書きたいと思いますが、端的には、精神力と役柄の理解力の大切さの2つです。

いくら練習して、技術を磨いても、本番でネガティブになり実力を発揮できないようでは意味がありません。もちろん生身の人間が踊るので調子の悪い日などはあるけれど、それでも、「自分がこの舞台を素晴らしいものにするんだ」「自分が、お客さんを楽しませるんだ」っている前向きな強いエネルギーが絶対に必要だと思いました。ほんの少し緊張しているだけでも、目の力が無くなったり、ステップが小さくなったり、客席からはわかるものです。。

31日に劇場入りして、舞台で踊ってみると技術的に改めて不安な個所も出てきました。
こんな時に陥りやすいのが、その不安や個所の練習ばかりに時間や思考を奪われて、その他の表現力などがおろそかになってしまうことです。自分の中では普段リハーサルではできてることが出来なくなってしまうと不安になり、そのことばかりを考えて「ここさえうまくいけば・・」と考えてしまいがちだけど、ジゼルのストーリー全体を通して見ると、その不安な一か所や二か所は舞台を楽しみに観に来ているお客さんにとって、そんなに心配するほどのものでもなかったりするものです。

例えば、ピルエット(回転)が決まらない、普段回れてるのに、舞台では軸が取れない。というようなことに気を奪われて、その前後の動きが硬くなったりすると、たとえピルエットが成功したとしても、ジゼルという役柄はなくなってしまい、この作品自体を悪くしてしまうどころか、お客さんがストーリーを理解できなくなり楽しむことができなくなります。

数日間や数時間で自分の技術を変えることはできない。それならば、テクニックの心配よりもこの舞台を通してジゼルという役柄を生きることに徹するべきだと気づきました。
「今さら。。?」と思われるかもしれないし、見に来てくださったお客さんからしたら「イマイチわかりにくかった」と思われる方もいるかもしれませんが、これを今気づけたことはよかったと思っています。役柄、表現力はバレエにおいてとても大切だとはわかっていても、いざ舞台に立ち本番を前にすると、技術の心配をしてしまうものです。。。

でも、いくら精神力が強くて、「私が絶対にお客さんを感動させる!!」と意気込んでいても、ジゼルに対する役柄の解釈や、外してはいけない見せ場を心得ていないと、空回りしてしまいます。
ジゼルが「バレエ」である限り、バレエの技術で音楽を表現したり、役柄の気持ちを表現することは必須です。主役の本当の見せ場というのはどこか?そしてそれをどうしたら効果的にみせられるのか?を研究していく必要があると感じました。

本当に本当にバレエは難しい。でもこれを通してわからなかったことがわかるようになったり、人の気持ちを考えてみたり、自分に自信をもったり、がっかりしたりしながら、毎日過ごせることが有難いです。こんな機会をくれた芸術監督とカンパニーに感謝です。


● FOXTVのニュースにプロダクションの宣伝で出演したビデオクリップです。


 

● アリゾナの新聞のインタビュー記事です。  
  











2012年10月6日土曜日

アメリカで初めての主演

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先週はバレエアリゾナに入団して初めての舞台、パークショーがフェニックスを中心としたアリゾナ州の公園各地で行われ、無事全7公演を終えることが出来ました。

写真は最終日、フェニックス市内での公園で・・

日本で公園と言えば、なんか遊具があって砂場があって・・幼稚園のバスの集合場所??という公園を想像されるかもしれませんが、アメリカの公園はゴルフ場のように、野球場のように大きいです。
最終日の観客動員数は2000人を超えています。

そして、Ballet Under the Starというタイトルにふさわしい美しい星と満月がステージを引き立たせて、通常よりも狭いステージでの場所取りの難しさや、ライトに集まり周囲を飛ぶカナブン(?)や袖幕がないという野外公演特有の大変さはすっかり苦にはなりませんでした。
本当にきれいな星と満月でした。
どんな環境でも慣れることが大切ですね・・。










開演1時間半前から集まり、ウォームアップクラスを見学したり、場所取りしたりするお客さんが多いです。バレエアリゾナが無料のパークショウを初めて今年で15年。毎年楽しみにしてくださるお客さんが多いそう。





















最初の演目はバランシンのセレナーデ。曲の初めのコールドバレエの踊りがものすごく美しいです。






数段の階段を上りステージへ。もちろんどこからでも見てくださいって状態・・。



普段と違う環境で舞台を経験することができてとても緊張したけど、無事に怪我人もなくすべての公演を終えることができて、本当に感謝です!!



もう一つ、とても嬉しい、楽しみなイベントができました。

11月1日から4日にあるジゼルです。

先日芸術監督から、主演のジゼルを配役されました。こんな大きなチャンスを頂けてプレッシャーもあるけど、できるだけ応えれたらと思ってます。
過去のバレエ団のジゼルをDVDで見る限りは、ルーマニアでのジゼルとは音楽の端々や振付が少しづつ違い、また違った印象のジゼルとなりそうです。
でも今までこの役に関してたくさん教わってきたこと、学んできたことを上手く今回のジゼルにも出していけたらと思います。
ルーマニアで先生や尊敬するバレリーナから学んだことは私にとって何よりの宝物で誇りです。
アメリカの観客にも上手くそれを伝えれるようにこれから3週間練習を頑張ります。




2012年9月27日木曜日

初めての野外公演

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9月はフェニックスの公園で野外公演がありました。
全部で七回公演で舞台の鑑賞は無料です。この公演はフェニックス市やバレエアリゾナのパトロンがサポートしていて、バレエ団にとって、新しいパトロンの獲得や、バレエを見たことがない市民にもっとバレエ団の存在を知ってもらい劇場に足を運んでもらおうという目的があります。11月にあるバレエアリゾナのシーズン最初のプロダクション「ジゼル」のチケットも公演の最後に抽選で数人にプレゼントするという企画もあり、アメリカっぽいと楽しくなりました。

先週に4公演終わり、今週末に後3回残っています。 初パークショウの感想は、正直、こんなに大変とは思っていなかった・・

まず、アリゾナの気温はサウナの中にいるように暑い。身体を動かさなくても汗がダラダラ流れてせっかくのメイクもすぐに落ちてしまいました。日本の夏も熱いけど、ここまで熱いとホットヨガをしている気分。

もう一つは、舞台の照明です、夜七時公演だったので、始まるころには辺りが暗くなり、舞台上のサイドに設置されたライトが異常に明るく眩しく感じられ、どこに焦点を当てていいのかわかりませんでした。そのライトに、呼び寄せらた小さな虫が舞台上を飛び交ってます。

 そして、一番苦労したのが、舞台上にいない時です。
通常、舞台上で踊っていない時は、舞台の両サイドにある幕で隠れてしまえるので、水を飲んだり、トウシューズを履きかえたり、座ったり、次の出番の為に休むなど好きなことをできますが、それは決して舞台を鑑賞しているお客さんに観ていただけるような姿ではありません。
しかし、今回は舞台が大きな公園の真ん中に設置されているので観客は360度どの角度からでも鑑賞できます。隠れるところがないのです。。









あるはずの袖幕がない。と言うことは自分の出番が終わっても隠れられないのです。
今回私が踊った作品はセレナーデ、約20分ほどの作品で、一回出番が終わったら終わりではなく数回出番があります。自分の出番が終わって、舞台から地面につながる階段を下りるとそこにはお客さんが・・。
舞台から降りて息を切らせている姿を見せたくはないけど、次の出番までに体力を回復させなければいけないし・・。
とにかく、劇場で踊る時とは全く違う感じ。舞台裏までお客さんに見られるのは、踊る側としては、通常異常に体力を消耗します。。

お客さんは元々鑑賞予定の人達から、音楽に誘われて集まってきた人達、中には犬の散歩中にちょっと寄って観ていこうか。なんて人たちもいて、軽く1500人以上は舞台の周りに集まっていました。バレエ公演と言うよりは、Showって雰囲気だったので、お客さんの反応もすごくよくて、大変だったけど、良い経験でした。
明日から、3日間、また頑張ります。