2013年5月7日火曜日

パフォーマンスウィーク


今週、バレエ団はAll Balanchine という公演をフェニックスのシンフォニーホールで4日間5公演上演しました。
バレエアリゾナの芸術監督イブ・アンダーソン氏は、デンマークロイヤルバレエ、ニューヨークシティバレエでプリンシパルを務めた素晴らしい経歴の持ち主です。
彼はバランシンスタイルというバレエ界に新しいスタイルを造った著名な振付家ジョージ・バランシンに見初められた数少ないダンサーの一人だそうで、数多くのバランシン作品をステージすることを認可された世界中で数少ないコーチ(Balanchine Repetiteurと呼びます)なのです。

だからバレエアリゾナでは毎年バランシン作品のみを上演するAll Balanchineというプログラムが組まれます。 








一番上の写真の「セレナーデ」は女性ダンサーにとって体力的に本当にきつい作品になっています。
 体力的には、クラシックバレエのグランパドドゥを2回続けて踊った感じに似てるような。
20分ぐらいの長さですが、これはプリンシパルよりもコールドバレエのほうが体力的にきつい
作品だと確信してます。
衣装は決まって水色のレオタードに足首までの長いチュールがついていて、そのチュールがとても薄いのでステージに立ち照明を浴びると足が透けて見え、とても綺麗です。


 動画はうちのカンパニーではありませんが、セレナーデの一番最初のシーン。
客席で見ると、静かな始まりがとても幻想的で、ここからダンサーたちが次々と様々な配列で形を変えていく姿があまりにも非現実的で感動されるお客さんも多いと思います。

でも、この始まりのシーン、ダンサーにとっては一番緊張したりします。私は今週ステージリハーサルも含め、計8回舞台で踊ったけど、最終公演でも緊張してました。

このバレエは、幕が開くと六番ポジションで右手を挙げみんな同じ方向を向いて立っているポーズで始まるのですが、それが意外と難しい。
普段トウシューズで立ったり回ったりしている者が両足で立つのが難しい。といってもウソのようだけど、幕が開いた瞬間広大な暗闇と客席が視界に入り、自分たちは青い薄暗い照明で照らされているため、一瞬焦点が定まらなくなります。このポーズでしばらく立っていないといけないので、その間真っ直ぐ立っているつもりでも自分が左右に揺れているような感覚に陥ります。絶対あってはいけないことですが。。。感覚としては、片足で両目を閉じバランスをとっている感じ。。

この感覚が緊張を呼び「ちょっと待って・・自分は今両足で立つことすら震えてる、この後ダブルピルエット(回転のテクニック)が4回続けてあるのに、出来るのか?!」って嫌な予想をしたりしてしまいます。
 でも無事、大きなミスやアクシデントもなくすべての公演を終えることが出来ました。




9か月前、アメリカに渡って、今まで学んできたことや、経験したことは全くここでは通用しないんじゃないか、って自信喪失したときがたくさんあったけど、 思い出してみればブカレストやプラハでも心が歪むような苦しい経験もたくさんあったように思います。

でも今振り返って考えてみると、その苦い経験のことを今思い出したからと言って、トラウマでもなければ痛くも痒くもない。
それはその時に、逃げ道を作らず、その問題と付き合ったからだと思います。
結局、自分のキャリアの良し悪しが決まるのは、その瞬間、瞬間ではなく、キャリアを終えてみて、「良いバレエ人生だったな」って思えたらすべてOKなんだと思います。

しばらくアメリカのバレエは私には合わない。才能ある人にはいくら努力しても敵わない。と腐った気持ちになってたけど、落ちてもまた自分のやりたい役が踊れるように頑張ってみようと思います。






4 件のコメント:

  1. こんにちは 元気そうで良かったです。  どこどこのバレエあわない・・・ あわなかったら、またやめて・・・などの言葉を聞きます。 あう場所なんて、どんな職業だってなんだって、ありませんよね。
    受け入れてくれる場所・できる場所で、好きなバレエを精一杯行う これだけだだと思います。
    頑張ってください。

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  2. こんにちは!コメント有難うございます。
    そうですね!精一杯頑張らないとせっかくの経験や時間がもったいないですよね。シーズン終わりまで残り3週間失速しないで頑張ります~!!

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  3. 昔、五葉先生のバレエ教室におられましたか?
    当時から、上手で、きれいで、スタイルがよくてプロになられるのはこういう人だろうなと思っていました。
    私も、週一回バレエのレッスンを続けています。
    こころちゃんの活躍には、励まされています。
    頑張ってくださいね。

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  4. こんにちは。メッセージ有難うございます。
    イツハ先生には大変お世話になり、年に一度発表会に出演させていただいたときにお会いするのがとても楽しみでした。
    当時からずっとバレエを続けられているのですね。私も昔は週に一度のバレエのレッスンがとても楽しみでした。
    これからも頑張ってください♪

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