2013年7月1日月曜日

freed のトウシューズ 2

前回書いた、トウシューズの続きです。


私は、本っ当に足の甲が出ていなくて、足をきれいに見せようと力が変に入ってつま先がカマ足になってしまうなど、かなり自分の足にコンプレックスがあります。
フリードのトウシューズでそういった欠点を少しでもカバーできるように、ダンサー仲間にいろいろと教えてもらった方法を写真と説明でかなり雑ですか、いくつか紹介したいと思います。

これは、自分で手を加えなくても、オーダーメイドとして発注すれば、日本からは約半年かかるようですが、トウシューズの職人さんがその通りにサイドやインソールを切って仕上げた状態で送ってくれます。
ちなみに心斎橋のチャコットではすべてのシューズがスタンダードなものでした。
バレエ団では、シーズン終わりにその次のシーズンのために1年間分のシューズをオーダーします。「インソールの硬さ、シャンクの形、サイドは何インチCUTか、ヒールは深めか、浅めか」など一人一人にあったトウシューズを1年分、何十足もオーダーします。

もしも、役に立ちそう!と思っていただければ嬉しいですが、十代の若い生徒さんや、経験年数が浅い方は実際に試される前に バレエの先生と相談されることをお勧めします。
やってみて、こんなんじゃ踊れない!ってなると大変です。。。

まずは、シューズの底(インソール)をカットして、足裏にシューズを添わせるようにする方法です。



                  改造するのはスタンダードのフリードのFメーカー


                    カットするのはインソール




                      布部分をはがします



                カットに使うのはペンチ。。百均にも売ってます

              布の下の黒い板をトウシューズ本体(踵の部分)から剥がします。
            剥がすと踵から数センチのところに一本釘が出てくるのでペンチで抜きます。



               さらに、黒の板を二枚に分けます。(手で結構簡単にできます)

          
            二枚に分けた板の下の方をカットします。私は、大体3,4センチカットす                るのが好きですが、好みによって変えてください。

                 同様に、上の板も、下より短めにカットします。
  
一番上の布を、二枚の板をカバーして折りたためる程度の余裕を残してカットします。





                   後は、包み込むように折りたたみます。




 
                                              取り除いたのはコレだけ。

       
ソールを切るだけでもいろいろな方法があり、踊りの内容によっては(ジャンプが多い        ものなど)半分ぐらいカットすることもあります。
       逆に回転やトウシューズでずっと立っていないといけない踊りなどは二枚に分けた板の       一枚だけをカットする時もあります。






少し手を加えるだけで、トウシューズに足裏が添うようになりつま先を伸ばした             時の印象がかなり変わるはずです。私は足の甲が凹んでるんじゃないかと思う           ほど甲が出ていないので、この方法は必ずやるようにしています。

しつこいようですが、ソールをカットするのは、それなりに足の強さが必要なので、必ず先生に相談してくださいね♪
          




2013年6月26日水曜日

Freedのトウシューズ

日本に帰ってきて早くも2週間が経ちました。

毎年感じるけどやっぱり日本が一番ですね。

さて、私には帰国してから 挑戦していることが一つあります。それは、GaynorMindenのトウシューズからFreedのトウシューズにシフトするということです。
挑戦と書くとめちゃくちゃ大袈裟ですが、ある程度の期間ゲイナーで踊っているダンサーはその他のシューズに履き替えるのはとても大変なのです。
それは、ゲイナーのトウシューズとその他多くのトウシューズでは、造られている素材が違い、またシューズのコンセプトも違うからです。

まずゲイナーは今までのトウシューズにはなかった特別な素材を使っているのでインソール(靴底?)の部分やボックス(つま先で立った時にサポートする部分)の硬さが新品の状態と履き潰れる前とほぼ変わりません。そのほかのトウシューズは履けば履くほどインソールやボックスが柔らかくなっていき、特に湿気のある梅雨時期は本当に寿命が短い。

どうやってそのシューズが潰れたかを判断するのは、私の場合シューズの先端に穴が開いたときでした(笑)穴が開くとピンクのサテン生地から白いプラスチックのような素材が見えてきます。
 そこまで履くには舞台やスタジオの床のコンディションにもよりますが、かなりの期間を要します。

もう一つ、ゲイナーで特徴的なのは、インソール部分が弾力性のあるバネのような素材でつくられていて、ドゥミからポアントに移行するときにそのバネがサポートしてくれるのでかなり乗りやすいということです。また、ポアントで立った時の安定感も明らかにその他のトウシューズとは違い、ポアントでいつまでも立っていられるような安定感と心地よさがあります。

履くことで、バレエの理想のつま先のライン、本来の自分の能力以上のパフォーマンスを引き出してくる。というのが明らかに他のトウシューズと違ったゲイナーミンデンの性質だと思います。

私は数年前初めてゲイナーを履いたとき、その異質さ と履き心地の良さに驚きました。でも、今までのシューズとあまりにも性質が違うので、実際に履いて踊れるようになるにはかなりの時間が必要でした。
でもこの安定感に慣れた今では、他のシューズに履き替えるなんて、考えられません。
 そして何よりもトウシューズが潰れることがない。というのが魅力です、大事な舞台やコンクールのために、一番踊りやすい状態に履きつぶしたトウシューズを練習では使わず大事にとっておく、ということをしなくていいからです。

でも、そのサポート力があまりにも他のシューズと違い優秀すぎるため、まだトウシューズで踊る ことが出来るほど筋力が強化されていない子供や経験年数の浅い方にはあまりお勧めできないような気がします。

なぜなら、ゲイナーは十分な筋力やコントロール能力がなくてもポアントで立たせてくれるからです。

インソールのバネのサポートで立てることは立てるけど、ダンサー自身の足に必要な筋力が備わっていないと、ポアント→ドゥミ→フラット とそれぞれの意向が不自然(あまりにもバネに頼り切っていて自身で上下をコントロールできていないので、見ていて踊りが乱暴に見えてしまう)になってしまうという心配があります。
そして一度このような癖がついてしまうと、その癖を抜くにはかなりの努力が必要です。というかゲイナー以外を履いたことがなければこの意味がわからないかもしれません。
他のトウシューズでは、自分の力でポアント→ドゥミをしないといけないのでそういった癖がつくことはないと思います。

今回私が履こうと頑張っているトウシューズはFreed,ロンドン留学時代は愛用していたシューズです。トウシューズの中では一番オーソドックス、歴史のあるトウシューズで、プロのダンサーの中でも愛用者は多いようです。
実際に私が今所属するバレエ団のダンサーも全員Freedです。ディレクターはフリード大好きで、今回私が大好きなゲイナーからフリードに履き替えないといけない理由もそこにあります。

ゲイナーが、履くことで、バレエの理想のつま先のライン、本来の自分の能力以上のパフォーマンスを引き出してくる。のなら、フリードは、その理想のラインやパフォーマンスを訓練に訓練を重ねた自分自身の筋力や経験によって自分で造っていく。って感じでしょうか・・。
本当にフリードのシューズはきちんと訓練できているダンサーが履くと、何も履いていないかのように自然に踊っているように見える素晴らしいシューズです。

でも、その理想的なラインを造っていくためには、ただ買ってきたシューズをそのまま履いてたくさん練習すればよいというものではありません。(私は学生のころはそんなこと全く知りませんでした)

プロのダンサーは自分の足の形に合わせていろいろと試行錯誤して、より踊りやすいように、よりきれいなラインに見えるように、シューズを改良しています。

私もフリードに変えてからバレエ団の女の子たちにいろいろと教えてもらい、新品のシューズに手を加えるようにしています。個人差があるので、参考にはならないかもしれなけど、これから、いくつか紹介してみようと思います。










2013年6月6日木曜日

シーズンエンド&帰国



長かった新しいバレエ団での1年、ようやく6月1日で終わることができました。

本当にいろいろとあった1年でした。特に今年に入ってからは、いくら頑張っても団内では透明人間状態だったので、シーズン途中で辞めるとか、2年目は絶対に契約更新はしない。と自分に言い聞かせてやっとのことで毎朝通勤していた時期もありました。

でも1シーズン終えてみて、一言いうとしたら・・・辞めなくてよかった。
もちろん、一度失ったものを取り戻すのはそう簡単ではないので、2年目からも厳しいポジションからのスタートだけど、アメリカに最初に足を踏み入れた時よりも、この国を最後に出るときのほうが精神的に強くなっていたい。ズタボロにされて悔しい思いをし、自信喪失してこの国を後にはしたくありません。

なんでこんなに理不尽な扱いなの?!といい年して人前で泣いたり、皮肉を言われ大恥をかいたり、いろいろあったけど、あの一番辛いときに逃げていたら、今その時のことを思い返して、痛くも痒くもない。と思えなかった。過ぎてしまえば全部思い出でしかありません。でもその時に逃げるとトラウマになり、次同じようなことが起こっても免疫がないのでまた辛くなる。と思います。
そう思えるようになっただけでも進歩だと思って、バレエ団には感謝して、このシーズンを終えたいと思います!!
あとは日本での夏休み。とても楽しみです♪





               最後の野外公演にテレビの取材が入りました。

2013年5月27日月曜日

シーズンエンド


後1週間でバレエ団のシーズンが終わります。
まだ5公演残っているけど、夏の間アパートを空けるので大掃除をしたり、スーツケースを出して帰国の準備をしていると、もう終わりなんだな・・と実感します。





















ようやく山を越えた野外公演。あと5公演・・・。
ステージの周りが自然公園なので砂は飛んでくるし、虫は飛んでるし、風はきついし、リノリュームは日に日にベトベトになり踊りにくいしで、きれいな写真からは想像できないほど大変なことになっています。。

この3週間の野外公演、チケットーセールスはかなり好評で毎晩ほぼ満席です。去年と今年と2年連続で企画されてる公演だけど、来年はないみたい。
私の個人的な感想は、いくら好評でもやっぱりバレエはちゃんとした劇場でやるもので、お客さんもバレエを観た。とは言えないと思います。

本番を毎日繰り返していると、後半になってくるとさすがにみんな疲れてきて、少しづつ踊りのクオリティーが落ちていきます。野外ステージなので普段のステージとは条件が違いリノリュームのつなぎ目に凹凸があったり、やけに滑るところがあったり、余計に注意しないといけない点がたくさんあるし、強い風に長時間ほぼ裸のような衣装でさらされていると集中力も落ちてきます。
みんな笑顔で踊ってるけど、内心は「キャー虫が近寄ってくる!!」とか思ってたりするので、お客さんには本当に失礼な話なんですが・・・。

でもバレエは全神経を集中して自分の最高の状態をつくりだして初めて 良い舞台になると思うので、そういう努力をダンサーができる最低限のコンディションは必要だと思います。
今回の経験で完全にアンチ・野外公演な私になってしまったけど、アメリカのバレエ団では結構普通だったりするようです。。。
でもなんといっても後5回。。頑張ります。



2013年5月15日水曜日

野外公演



 このシーズン最後のプロダクションは野外での公演です。
確かシーズン始まりもフリーチケットでパークショーを行いましたが、今回は違います。
大きな特設ステージの前にはテーブルとイスのセットが何組も設置されてあり、チケットを買っていただいたお客さんはその席で、ワインなどドリンクサービス着きでバレエを鑑賞できるようになっています。
何とも斬新な、、でもこれがかなり評判が良いようで、去年試しにやってみると バレエ団にとってはかなりの収益だったそう。そして、今年も期待に応え、2年目の長期野外公演期間に入りました。

ドレスリハーサル含め約20回の舞台で3週間。これからシーズン最終日の6月1日まで、ほぼ毎晩公演になります。
2週間前のAll Balanchineに比べたら内容も、体力的にもかなり楽だけど、野外・・というのが。。ダンサーにとっては厳しいです・・パークショーの時と同じく、リノリューム(バレエ用のフロア)の状態や、ライトに集まってくる虫たち・・ いつも気にしなくていいことが気になって仕方なくなるのです。

去年のパークショーではバランシンのセレナーデをやったのですが、芝生にマットを敷いて、星や月をバックにバレエを見るなんて最高だ(しかもフリーで・・)。って思ってくれたお客さんもたくさんおられたと思います。
でも、舞台上では、ポーズで立っている時にある女の子の衣装のスカートに大きなカナブンがとまり離れなくなって内心パニックになったり、笑いをこらえたり、大変でした。






後15回、何が起こるのか。。。


2013年5月7日火曜日

パフォーマンスウィーク


今週、バレエ団はAll Balanchine という公演をフェニックスのシンフォニーホールで4日間5公演上演しました。
バレエアリゾナの芸術監督イブ・アンダーソン氏は、デンマークロイヤルバレエ、ニューヨークシティバレエでプリンシパルを務めた素晴らしい経歴の持ち主です。
彼はバランシンスタイルというバレエ界に新しいスタイルを造った著名な振付家ジョージ・バランシンに見初められた数少ないダンサーの一人だそうで、数多くのバランシン作品をステージすることを認可された世界中で数少ないコーチ(Balanchine Repetiteurと呼びます)なのです。

だからバレエアリゾナでは毎年バランシン作品のみを上演するAll Balanchineというプログラムが組まれます。 








一番上の写真の「セレナーデ」は女性ダンサーにとって体力的に本当にきつい作品になっています。
 体力的には、クラシックバレエのグランパドドゥを2回続けて踊った感じに似てるような。
20分ぐらいの長さですが、これはプリンシパルよりもコールドバレエのほうが体力的にきつい
作品だと確信してます。
衣装は決まって水色のレオタードに足首までの長いチュールがついていて、そのチュールがとても薄いのでステージに立ち照明を浴びると足が透けて見え、とても綺麗です。


 動画はうちのカンパニーではありませんが、セレナーデの一番最初のシーン。
客席で見ると、静かな始まりがとても幻想的で、ここからダンサーたちが次々と様々な配列で形を変えていく姿があまりにも非現実的で感動されるお客さんも多いと思います。

でも、この始まりのシーン、ダンサーにとっては一番緊張したりします。私は今週ステージリハーサルも含め、計8回舞台で踊ったけど、最終公演でも緊張してました。

このバレエは、幕が開くと六番ポジションで右手を挙げみんな同じ方向を向いて立っているポーズで始まるのですが、それが意外と難しい。
普段トウシューズで立ったり回ったりしている者が両足で立つのが難しい。といってもウソのようだけど、幕が開いた瞬間広大な暗闇と客席が視界に入り、自分たちは青い薄暗い照明で照らされているため、一瞬焦点が定まらなくなります。このポーズでしばらく立っていないといけないので、その間真っ直ぐ立っているつもりでも自分が左右に揺れているような感覚に陥ります。絶対あってはいけないことですが。。。感覚としては、片足で両目を閉じバランスをとっている感じ。。

この感覚が緊張を呼び「ちょっと待って・・自分は今両足で立つことすら震えてる、この後ダブルピルエット(回転のテクニック)が4回続けてあるのに、出来るのか?!」って嫌な予想をしたりしてしまいます。
 でも無事、大きなミスやアクシデントもなくすべての公演を終えることが出来ました。




9か月前、アメリカに渡って、今まで学んできたことや、経験したことは全くここでは通用しないんじゃないか、って自信喪失したときがたくさんあったけど、 思い出してみればブカレストやプラハでも心が歪むような苦しい経験もたくさんあったように思います。

でも今振り返って考えてみると、その苦い経験のことを今思い出したからと言って、トラウマでもなければ痛くも痒くもない。
それはその時に、逃げ道を作らず、その問題と付き合ったからだと思います。
結局、自分のキャリアの良し悪しが決まるのは、その瞬間、瞬間ではなく、キャリアを終えてみて、「良いバレエ人生だったな」って思えたらすべてOKなんだと思います。

しばらくアメリカのバレエは私には合わない。才能ある人にはいくら努力しても敵わない。と腐った気持ちになってたけど、落ちてもまた自分のやりたい役が踊れるように頑張ってみようと思います。






2013年4月15日月曜日

2か月ぶりの週末


今週末は、2月から毎週末のようにオーディションに行きまくったあとの初めての週末。
まだロンドンに留学中の16歳のころに、レッスン中に自分がなんでバレエやってるのかわからなくなり、体が動かなくなったことががあったけど、今回も10年越しで同じようなことが起こりました。やはり毎週のように緊張の連続だと、自分が好きでやっているはずのことでも嫌になってしまうものなんでしょうか。10代の頃は、ちょっとバレエを休んで、元気になったら復帰。が許されたけど、今はそんなことできません(笑)
3月の末にはバレエアリゾナの公演(トリプルビル)が週末を挟んで行われたので本当に、無休・・・状態。
でも、オーディションを通して、今仕事があることの有難さ、オーディションで自分の踊りを査定されるよりも、たとえ群舞でも舞台を楽しみに見に来てくれた人の前で踊ることの楽しさをあらためて感じることが出来ました。どれも当たり前のことだけど、バレエ団という狭いコミュニティーの中で毎日、年中同じことをしていると、その世界のすべてを決定する権限のある監督の評価ばかり気になってしまって、本来の自分の目標や、楽しみを忘れてしまう・・・??

来シーズンまだどうするか決めかねているけど、プロとして働ける時間は本当に少ない。今この時間が全部将来財産と言えるように、しっかり考えて決めないと・・・ですね。