2011年7月27日水曜日

オーディション 1

海外のバレエ団で働いている人なら、絶対に避けて通れないもの。それはオーディションです。

私もバレエ学校を卒業した歳、二十歳から、数えきれないほどのオーディションを受けてきました。

もーたくさん受けすぎて、なんだかよく覚えていませんが、一番目のオーディションはとても鮮明に覚えています。。それだけ緊張したってことなんでしょうか・・・。





バレエ学校の最終学年になるとみんな、卒業後のことを考え、自分の好みのバレエ団やダンスカンパニーをリサーチし始めます。情報源は主にインターネット。

一般の学生さんたちと同じ、「就活」みたいなものですね。


オーディションには大きく分けて3つのタイプがあります。

それぞれ、オープン、インヴィテーション、プライベート。といったものです。

オープンオーディションは基本的に希望者は誰でも参加できるもの。

インヴィテーションは、事前に書類選考(写真やビデオ選考もアリ)で選ばれたダンサーだけが参加できるもの。

プライベートオーディションは、バレエ団に個人的に約束を取り付け、団のメンバーが毎朝受けるトレーニングクラスに参加させてもらい、そこに芸術監督が査定に来る。

って感じでしょうか・・。

オープンオーディションにはそのカンパニーで働いてみたい人、とにかくどこでもいいから仕事がほしい人、いろいろな人がたくさん来ます。
大抵、国立や州立のバレエ団なら毎年1回はこのオープンオーディションを行いますが、ほとんどのバレエ団、毎年の雇用枠は男女数名づつ。と少数。

その枠を目指して数百というダンサー達が集まったりします。




たとえば私が数年前に受けた、ある国立バレエ団のオープンオーディション。


オーディション登録の際にもらったゼッケンをレオタードにつけ、その番号順にバーにつきます。

この時は集まったダンサーが多すぎて2クラスに分けられました。

前方には長い机があり、審査員達(芸術監督をはじめバレエ団関係者)が採点用紙を持って並びます。
約30分の短いバーレッスンで、より良く評価しようと、紙とペンを持った芸術監督が席を立って候補者達に近づき、見て回ります。

心境は、オイオイそんな近づかなくても、見えるじゃん・・。緊張するからやめてください・・。



そして、バーレッスンが終わると、審査員が集まり会議しました。
採点の紙がチラチラして超気になる・・・。

そして、続きを見たいダンサーのゼッケンの番号を呼んでいきます。No1,4,10,12・・・といった感じ。


ここで落とされると、「バーレッスンほんの30分みただけで何がわかるんだ!せっかく遠くから来たのに!」って泣きたくなりますが・・・・
バレエ団側も探しているダンサーのタイプというのがあり、事前に提出している履歴書(CV)で国籍や身長、プロ経験があるか・・など把握したうえでの切り落とし・・なので文句は言えません。。


そして、半分ぐらいに絞られた候補者達で、センターレッスンをしました。
6,7人づつのグループで、アダジオ、タンジュ、ピルエット、ジャンプ・・などやっていきます。

このセンターでは番号順に並べと指定はなかったので、積極的な子はどんどん前に出てきます。
よく見える立ち位置の取り合いです。。
まぁ・・・でも、冷静になれば、、審査員は、ダンサーがどこで踊ってようが、目ぼしい子はちゃんとチェックしてるんですよね・・。
「いいとこ見せないと!」って一列目の真ん中に無理して入って、審査員がすぐ目の前にいることに緊張してしまい、実力を出せなかった。。。ってパターンも小心者の私にはありました・・・ww。

大事なのは、自分が踊りやすい場所で踊れてるか・・・。





そして、一通りセンターレッスンが終わった後に、またまた審査員達が会議。。

これで、決まるか・・・・ と思ったらまた切り落とし。今度は全体の3分の1に絞られてトウシューズを履いての審査に移行です・・・・ 

オーディションの最初からトウシューズを履いている私はそんなことも知らず、すっかり履きつぶしてしまったシューズで審査に挑むことに。
トウシューズ専用の審査を用意してるなら、初めに言ってくれ・・・。





といった感じでオーディションは進んでいきます。この時は最終的に5人名前を呼ばれ、芸術監督と個人面談をした後、結果は1か月後・・といった具合でした。

バレエ団によっては、この他にも、バレエ団が持っている作品の一部分を振付され、その場で数人づつ踊るといった審査や、男の子の候補者と組まされ踊るパドドゥ審査。などもあります・・。



アレ・・ 二十歳のころの初めてのオーディションの思い出を書くはずだったのになんか説明チックになってしまいました・・。

続きはまた。

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